あつめ句 1.またの春

【芭蕉自筆影印】
 や万可にとしをこ盈て

 堂可むこそ志多にもち於ふうしのとし

ま多の者る盤あむ耳あ利て

 いくしもにこゝろ者せ越の松可佐利

 婦る者多やなつ那徒みゆくおとこ登母

 於きよゝゝゝ和可友尓せむぬるこてふ

ある日との可く連可を 多つ禰侍る尓 あるしハ寺に詣て介るよし尓て とし老堂る於のこ独 庵をまも利ゐ暮希る 可支ほ尓梅さ可利な梨 な利幾礼者 これなむ あるし可保那利といひ希る越 可のおのこ よ所の可支ほ尓て さ婦らふと云をきゝ天

 るすにきて梅さへよその可支保可那

日とゝせ みやこの空尓 多ひ寝せしころ みち尓て行脚の僧耳 志る人尓な利侍るに この者る みちの於く見尓ゆくとて 和可草庵をとひ幾礼者

 ま多もとへや婦の中なる梅花 

(やまがにとしをこえて

 たがむこぞしだにもちおふうしのとし

またのはるはあむにありて

 いくしもにこゝろばせをの松かざり

 ふるはたやなづなつみゆくおとこども

 おきよゝゝゝわが友にせむぬるこてふ

あるひとのかくれがを、たづね侍るに、あるじは寺に詣でけるよしにて、とし老たるおのこ独、庵をまもりゐ暮ける。かきほに梅さかりなり。なりければ、これなむ、あるじかほなりといひけるを、かのおのこ、よそのかきほにて、さふらふと云をきゝて

 るすにきて梅さへよそのかきほかな

ひとゝせ、みやこの空に、たび寝せしころ、みちにて行脚の僧に、しる人になり侍るに、このはる、みちのおく見にゆくとて、わが草庵をとひければ

 またもとへやぶの中なる梅花 )















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