【芭蕉自筆影印】
雲於利ゝゝ日と越やすめる月み閑難
名月や池をめく利てよもす可ら
いさゝ可なる處耳多日堂ちて 不年のうちに一夜を明し天 暁の空 篷(トマ)よ利可しら指出て
あ希遊くや二十七夜も三可乃月
もの一我可よ盤可ろき飛佐こ哉
みちの保と利尓て 志く連耳あ悲て
可さ裳那支我を志くるゝ可こハ何登
(雲おりゝゝひとをやすめる月みかな
名月や池をめぐりてよもすがら
いさゝかなる処にたびたちて、ふねのうちに一夜を明して、暁の空、篷(トマ)よりかしら指出て
あけゆくや二十七夜も三かの月
もの一我がよはかろきひさご哉
(物一我が世は軽き瓢(米びつ)哉)
みちのほとりにて、しぐれにあひて
かさもなき我をしぐるゝかこは何と )
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