あつめ句 5.古園

【芭蕉自筆影印】 

 花み那可連てあ者礼をこ保すくさの多年

元起和尚よ利 酒を堂ま者利希る可へしに 多天まつ利希流

 水寒く寝入可袮堂る可も免閑難

我くさのと能 者つゆき見む登よ所尓有ても 空堂尓くも利侍連ハ いそ起可へること あ万多ゝ日な利希るに 師走中の八日 者しめて雪降希るよろこひ

 者つゆ支や幸庵尓ま可利ある

 初雪や水仙の者能た者むまて

もらふて九らひ こふ帝くら日 やをら 可つゑ毛しなす 東し乃く連希礼者

 めて多起人の可すに裳入む老のく礼

 月雪登乃さ者里介らし年の暮
  

(花みなかれてあはれをこぼすくさのたね

元起和尚より、酒をたまはりけるかへしに たてまつりける

 水寒く寝入かねたるかもめかな

我くさのとの、はつゆき見むとよそに有ても、空たにくもり侍れば、いそぎかへること、あまたゝびなりけるに、師走中の八日、はじめて雪降けるよろこび

 はつゆきや幸庵にまかりある

 初雪や水仙のはのたはむまて

もらふてくらひ、こふてくらひ、やをら、かつえもしなず、としのくれければ

 めでたき人のかずにも入む老のくれ

 月雪とのさばりけらし年の暮 )












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