「花をやどに」ほか発句懐紙

【芭蕉自筆影印】
 瓢竹庵尓ひさ越い連て 多ひのお毛ひ いと安可利遣礼ハ
              者せ越
 花をやとに者しめを者利や者つ可ほ堂

              万きく
 のと可さにものも於毛者ぬ朝寐可奈

堂飛立日
              者せ越
 このほと越花尓礼いふ和可禮哉

(瓢竹庵にひざをいれて、たびのおもひ、いと安かりければ
              ばせを
 花をやどにはじめをはりやはつかほど

              万ぎく
 のどかさにものもおもはぬ朝寝かな

たび立日
              ばせを
 このほどを花に礼いふわかれ哉 )