近江 千那・尚白・青鴉宛書簡

【芭蕉自筆影印】

別帋
坂本に而一宿 早苗に鹿を追聲 御なつ可しく覚候
坂本の鹿 いつ禮の秋二可と存る計二御座候
罷帰(マカリカエリ)候へハ 又いつ上り可申様二も無御座 一入(ヒトシホ)ゝゝ 御ゆ可しきのミ二候
下向之比 桑名本当寺御會丹 薄を切て笘(トマ)丹茨(フキ)个り

 琵琶負て鹿聞(キキ)丹入(イル)篠(ササ)のくま

坂本を心の底丹置候可
熱田の會丹

 獨(ヒトリ)書を見る草能戸能内

二町程西丹砧(キヌタ)の聞ユ也
重而(カサネテ)委細二書付可進之候

  七月十八日
        芭蕉
 千那叟
 尚白士
 青鴉丈



別帋
坂本に而一宿 早苗に鹿を追声 御なつかしく覚候
坂本の鹿 いづれの秋にかと存る計に御座候
罷帰(マカリカエリ)候へば 又いつ上り可申様にも無御座 一入(ヒトシホ)ゝゝ 御ゆかしきのみに候
下向之比 桑名本当寺御会に 薄を切て笘(トマ)に茨(フキ)けり

 琵琶負て鹿聞(キキ)に入(イル)篠(ササ)のくま

坂本を心の底に置候か
熱田の会に

 獨(ヒトリ)書を見る草の戸の内

二町程西に砧(キヌタ)の聞ゆ也
重而(カサネテ)委細に書付可進之候

  七月十八日
        芭蕉
 千那叟
 尚白士
 青鴉丈














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