【芭蕉自筆影印】 （［ ］内先読み）
［ 其外書事少ゝ 紙せハく 先打捨申候
無事二 帰庵候旨 嗒山(ﾄｳｻﾞﾝ)公 ］
方ゝ一見仕(ﾂｶﾏﾂﾘ)候而 此度
［ 如行子へ早ゝ御噂(ｵｳﾊｻ)奉願候 ］
帰庵二及申候
愈(ｲﾖｲﾖ)御
［ 尾張熱田二而 五三日休息 ］
無事二御座候哉
當春
［ 何とそ獨木曽路の旅 望二被存候
不定ゝゝ ］
無恙(ﾂﾂｶﾞﾅｷ)様二承及候而 珍重奉存候
三月廿六日
本當(統)寺様二三日逗留 御噂度ゝ二及申候
木因様 桃青
京鳴瀧三井秋風
閑居梅林尓あそひて
梅白し昨日や鶴を盗禮し
杉菜尓身する牛二ツ馬一ツ
亭主秋風
我桜鮎サク枇杷(ﾋﾞﾜ)の廣葉哉
筧(ｶｹｲ)丹うこく山藤能花 桃青
日能霞夜(ﾖﾙ)銅(ｱｶｶﾞﾈ)の氣をし里て
湖春
又 山家
樫の木能花尓可ま者ぬ姿哉 桃青
家する土を者こふつ者くら 秋風
（
［ 其外書事少ゝ 紙せハく 先打捨申候
無事に 帰庵候旨 嗒山(ﾄｳｻﾞﾝ)公 ］
方ゝ一見仕(ﾂｶﾏﾂﾘ)候而 此度
［ 如行子へ早ゝ御噂(ｵｳﾊｻ)奉願候 ］
帰庵に及申候
愈(ｲﾖｲﾖ)御
［ 尾張熱田に而 五三日休息 ］
無事に御座候哉
当春
［ 何とぞ独木曽路の旅 望に被存候
不定ゝゝ ］
無恙(ﾂﾂｶﾞﾅｷ)様に承及候而 珍重奉存候
三月廿六日
本當(統)寺様に三日逗留 御噂度ゝに及申候
木因様 桃青
京鳴瀧三井秋風
閑居梅林にあそびて
梅白し昨日や鶴を盗れし
杉菜に身する牛二ツ馬一ツ
亭主秋風
我桜鮎さく枇杷(ﾋﾞﾜ)の廣葉哉
筧(ｶｹｲ)にうごく山藤の花 桃青
日の霞夜(ﾖﾙ)銅(ｱｶｶﾞﾈ)の気をしりて
湖春
又 山家
樫の木の花にかまはぬ姿哉 桃青
家する土をはこぶつばくら 秋風
）