大津・茶屋与次兵衛宛書簡 義仲寺

【芭蕉自筆影印】

正秀 珍碩 探志 御案内多能ミ存候今暮より 御出候様ニ奉待候
御内方様 御子達 風にても 御引不 成候
昨夜堅田よ利 致帰帆(キハンイタシ)
愈御無事ニ 御連中 相替事無(アイカワコトナク)御座候哉 拙者散々風引候而 蜑のとま屋耳 旅寝を侘て 風流さ万ゝゝの事共御座候

 病雁の夜寒尓落て旅寝哉

と申候
京短尺屋へ 御状被遣可下候
明日上京致候間 拙者見合(ミアワセ) 能候ハヾ(ヨクソウラワバ) もとめ候而 人ゝ分け可申候
千那 尚白方へも大分入申候
 九月廿六日
         木曽塚
    華や与次兵衛様  蕉
       人ゝ御中
正秀 珍碩 探志 御案内たのみ存候
今暮より 御出候様に奉待候
御内方様 御子達 風にても 御引不 成候
昨夜堅田より 致帰帆(キハンイタシ)
愈御無事に 御連中 相替事無(アイカワコトナク)御座候哉 拙者散々風引候而 蜑のとま屋に 旅寝を侘て 風流さ万ゝゝの事共御座候

 病雁の夜寒に落て旅寝哉

と申候
京短尺屋へ 御状被遣可下候
明日上京致候間 拙者見合(ミアワセ) 能候はヾ(ヨクソウラワバ) もとめ候而 人ゝ分け可申候
千那 尚白方へも大分入申候
 九月廿六日
         木曽塚
    華や与次兵衛様  蕉
       人ゝ御中