【芭蕉自筆影印】
花み那可連てあ者礼をこ保すくさの多年
元起和尚よ利 酒を堂ま者利希る可へしに 多天まつ利希流
水寒く寝入可袮堂る可も免閑難
我くさのと能 者つゆき見む登よ所尓有ても 空堂尓くも利侍連ハ いそ起可へること あ万多ゝ日な利希るに 師走中の八日 者しめて雪降希るよろこひ
者つゆ支や幸庵尓ま可利ある
初雪や水仙の者能た者むまて
もらふて九らひ こふ帝くら日 やをら 可つゑ毛しなす 東し乃く連希礼者
めて多起人の可すに裳入む老のく礼
月雪登乃さ者里介らし年の暮
(花みなかれてあはれをこぼすくさのたね
元起和尚より、酒をたまはりけるかへしに たてまつりける
水寒く寝入かねたるかもめかな
我くさのとの、はつゆき見むとよそに有ても、空たにくもり侍れば、いそぎかへること、あまたゝびなりけるに、師走中の八日、はじめて雪降けるよろこび
はつゆきや幸庵にまかりある
初雪や水仙のはのたはむまて
もらふてくらひ、こふてくらひ、やをら、かつえもしなず、としのくれければ
めでたき人のかずにも入む老のくれ
月雪とのさばりけらし年の暮 )
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