句空宛書簡 義仲寺

【芭蕉自筆影印】

こ手翰辱 (カタジケナク)拝見
夜前得閑語(ヤゼンカンゴヲエ) 珎称(チンショウ)不少候
明日御立可被成之旨(オタチナルベキノムネ) 後刻貴面御相談可仕(ツカマツルベク)候
追付(オツツケ) 御入来 是ニ天御禰󠄀ころひ可被成候
像讃之義 發句珎(メズラ)し可らす難儀仕候
ケ様之事ニ天も可支付可申(モウスベク)哉

庵の秋歟(アキカ)

 秋の色ぬ可味噌つ本も奈可利个利

 志川可さやゑ可く流壁のき利ゝゝ須

御用捨奈く可被仰下(オオセクダサレベク)候
同しくハ御免被下候而 外ニ白紙尓おもふ事書 進上申度候 
           以上

  即時

 句空社兄 御報     芭蕉末



ご手翰辱 (カタジケナク)拝見
夜前得閑語(ヤゼンカンゴヲエ) 珎称(チンショウ)不少候
明日御立可被成之旨(オタチナルベキノムネ) 後刻貴面御相談可仕(ツカマツルベク)候
追付(オツツケ) 御入来 是にて御ねころび可被成候
像讃之義 発句珎(メズラ)しからず難儀仕候
ケ様之事にてもかき付可申(モウスベク)哉

庵の秋歟(アキカ)

 秋の色ぬか味噌つぼもなかりけり

 しづかさやゑかくる壁のきりゞゝす

御用捨なく可被仰下(オオセクダサレベク)候
同じくは御免被下候而 外に白紙におもふ事書 進上申度候 
           以上

  即時

 句空社兄 御報     芭蕉末















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